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各士業の合格率ってどうなの?
士業の合格率について、紹介していきます!
意外に他士業の試験についてはわからないと思いますので、各士業の受験者数、合格者数、合格率を纏めてみます!
AIの活用により今後、士業の仕事がなくなる可能性が高いと言われていますが、最近の動向はどうなっているのでしょうか。
対象は、弁護士、公認会計士、税理士、司法書士、弁理士、社労士、行政書士、不動産鑑定士です。
対象年度は、2015年から2017年の3年間です。
1、弁護士(司法試験合格率:約23%)
弁護士は、法律のスペシャリストです。(登録者数:約40,000人)
2006年新司法試験制度導入から約10年が経ちましたが、2015年から2017年の合格者は約1,500名、合格率は約23%から25%で安定的に推移しています。
受験者数は、約8,000人から6,000人と微減傾向になっています。
なお、弁護士はロースクールに行く、もしくは予備試験に受からなければ受験資格を得ることができません。そのため、実質的な合格率はかなり低いと言えるでしょう。
2、公認会計士(合格率:約10%)
公認会計士は、監査・会計のスペシャリストです。(登録者数:約30,000人)
JSOX、国際会計基準導入を背景に、2006年から2010年までの5年間で15,000人(2007年は19%)という大量の合格者を出してましたが、2015年から2017年の合格者は約1,100名、合格率は約10%で安定的に推移しています。
受験者数は、約10,000人から約11,000人と微増傾向になっています。
監査法人業界は全体的に人不足が続いていますので、試験に合格しても就職できない「会計士浪人」のリスクが減ったことにより、受験者が増えたのかもしれません。
3、税理士(合格率:約15〜20%)
税理士は、税務のスペシャリストです。(登録者数:約77,000人)
2015年から2017年の合格者は約6,000名、合格率は15%から20%で推移しています。
受験者数は、約38,000人から約33,000人と毎年2,500人程度減少しています。
ただし、税理士の新規登録者は減っていません。理由は、税務署OBや大学院卒業の試験免除者の存在が挙げられます。
なお、税理士の特徴的な点として、約6割が60歳代以上と言われています。
4、司法書士(合格率:約4%)
司法書士は、主として不動産登記・商業法人登記、裁判書類の作成に関するスペシャリストです。(登録者数:約22,000人)
2015年から2017年の合格者は約600名、合格率は約4%で安定的に推移しています。
受験者数は、約17,000人から約15,000人と毎年1,000人程度減少しています。
2011年から予備試験が実施され、司法書士試験の受験者は予備試験に流れているのかもしれません。
5、弁理士(合格率:約6%)
弁理士は、知的財産に関するスペシャリストです。(登録者数:約13,000人)
2015年から2017年の合格者は約300人、合格率は約6%で安定的に推移しています。
受験者数は、約5,000人から約4,000人と毎年500人程度減少しています。
弁理士は増えているものの、特許出願件数が継続的に減少していたことも影響しているのかもしれません。(特許庁への特許出願件数(2017年)は、5年ぶりに減少から増加に転じましたが。)
6、社労士(合格率:約3%〜7%)
社労士は、人材に関するスペシャリストです。(登録者数:約40,000人)
2015年から2017年の合格者は約1,000人から約2,600人と毎年約700人増加し、合格率は3%から7%に上昇しています。
受験者数は、約40,000人から約38,000人と毎年700人程度減少しています。
2015年に合格率を3%に急落(2014年は9%)したため、合格率の低下が影響しているのかもしれません。
7、行政書士(合格率:約10%〜16%)
行政書士は、法律の書類に関するスペシャリストです。(登録者数:約47,000人)
2015年から2017年の合格者は約4,000名から6,000名、合格率は約10%から16%で増減しています。
受験者数は、約44,000人から約40,000人と毎年2,000人程度減少しています。
8、不動産鑑定士(合格率:約6%)
不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価に関するスペシャリストです。(登録者数:約10,000人)
2015年から2017年の合格者は毎年約100人、合格率は約6%で安定的に推移しています。
受験者数は、約1,500人から約1,6000人と毎年微増しています。
まとめ
各士業の合格率の違いを理解して頂けたのではないでしょうか?
受験者数は、公認会計士と不動産鑑定士以外の士業が減少傾向!
合格率は、社労士、行政書士を除き、基本的に安定!
士業の合格者数は、行政の方針によって左右されますが、今後も経済状況によって変動していくでしょう。
ただし、さまざまなテクノロジーによって士業の業務が徐々に代替されていく中、士業数を急激に増やす可能性は低いかもしれません。
参考サイト
各士業協会サイト